姫路市立美術館コクレションによる、ポール・デルヴォー展…
■姫路市立美術館は、姫路市とベルギーのシャルルロア市が姉妹都市であることから、デルヴォー作品を核としたベルギー近現代美術のコレクションで有名です。このコクレションをごっそりと借用した展覧会が、各地の美術館で今までいくつか開催されています。
■番外編!として「デルヴォー版画展」、「ベルギー象徴派展」
⇒ベルギーの美術、特に20世紀美術を主題とする展覧会ならば、当然デルヴォーの作品が展示されていると期待して良いでしょう。これについては、マグリットの「ベルギー関係」図録のページとして、デルヴォー掲載作品も一緒にご紹介しています。
1999 幻想と静謐の空間 ポール・デルボー展 ■姫路市立美術館所蔵ポール・デルヴォー
1999年1月15日〜2月24日 高崎市美術館
表紙:「夢想するアンヌ」1966年 サイズ:28×21.5センチ 79ページ 装丁:ソフトカバー |
■高崎市美術館で開催されたポール・デルヴォー展は、姫路市立美術館所蔵の版画作品を中心にして89点を展示。これはそのときに販売されていた図録です。
■図録そのものは、姫路市立美術館で1997年1月に刊行されたものであり、姫路市立美術館が所蔵するポールデルヴォー作品をすべて収録したものです。前半で油彩、エッチング作品をカラー図版で掲載。後半は「ポール・デルヴォー作品カタログ」として所蔵する全作品を小さいモノクロ図版で載せる目録となっています。
□寄稿・資料
● ポール・デルヴォーの人と作品 pp.62-65
● ポール・デルヴォーを理解するためのキーワード pp.66-67
●「海は近い」の描き直された部分について p.68
◎ 姫路市立美術館所蔵ポール・デルヴォー作品カタログ pp.33-60
◎未所蔵版画版画作品目録リスト pp.59-60
◎ 日本の美術館が所蔵するデルヴォーの作品 pp.69-70
◎ポール・デルヴォー年譜 pp.71-77 ◎参考文献 pp.78-79
2000 デルヴォーとベルギーの美術 ■姫路市立美術館の収蔵作品を中心に
2000年3月28日〜5月7日 埼玉県立近代美術館
サイズ:28×21.5センチ 48ページ 装丁:ソフトカバー |
■姫路市立美術館のデルヴォー作品約40点を中心に、埼玉県立近代美術館で開催されたベルギー美術を紹介する展覧会です。他にクノップフ5点、メルリ1点、ミンヌ1点、スピリアールト1点、マグリット3点等の作品も借用されて展示されました。
□ジェームズ・アンソールの作品を兵庫県立近代美術館、伊丹市立美術館から借用して特別出品として展示されました。
□寄稿:
●「ポール・デルボー不滅の…」シャルル・ヴァン・ドゥーン(ポール・デルボー財団理事長)p.12 原文:p.13
●「ポール・デルボー」ナターシャ・ヴァン・ドゥーン pp.14-15 原文:pp.16-17
●「孤独の奥に浮かぶ不条理感」吉村良夫(美術評論家)pp.18-21
●「デルボー絵画の変遷」高瀬晴之(姫路市立美術館学芸員)pp.22-27
◎年譜 高橋弘樹(佐倉市立美術館学芸員)/編集:pp.137-148 ◎ポール・デルボー美術館紹介:p.149
2001 魅惑のベルギー美術展 ■大原美術館所蔵ベルギー作品特別公開
2001年7月25日〜9月2日 姫路市立美術館常設展示室
サイズ:A4版 16ページ程度のパンフレット 装丁:ソフトカバー |
■岡山県倉敷市の大原美術館所蔵のベルギー美術作品を借りて、姫路市立美術館所蔵展示と一緒に展示した展覧会。
□大原美術館で門外不出であったレオン・フレデリックの7点組の壁画を借用して公開。
□構成:
●近代ベルギー美術の諸相 pp.4-5 ジャン・デルヴァン、エミール・クラウス、ウージューヌ・レールマン等
●世紀転換期のベルギー美術 象徴主義・表現主義 p.6-11
●デルヴォー、マグリットの世界 p.12-13
●ベルギー近代美術と日本の関わり p.14
没後1周年 デルヴォー展
1995年6月28日〜7月30日 姫路市立美術館常設展示室
サイズ:A4版 8ページ程度のパンフレット 装丁:ソフトカバー |
■1994年7月20日に亡くなったデルヴォーの没後1周年として、姫路市立美術館収蔵作品のほぼ半数にあたる約60点の作品を陳列して、その画業をふり返る展覧会。
□構成:
◎ポールデルヴォー年譜 p.3
◎油彩作品 pp.4-5 ◎水彩・工芸(織物)作品 p.6 ◎版画作品(リトグラフ) pp.7-8
1978年「ポール・デルボー版画展」図録
1978年1月12日〜1月17日 東京・新宿伊勢丹本館7階美術画廊
表紙:「窓」カラー・エッチング サイズ:20.6×20.2センチ ページ付けなし 装丁:ソフトカバー |
□「世界の版画展」シリーズ14番目として伊勢丹美術画廊で開催された展示会です。この展示会は、1.ゴヤ、2.レンブラント、6.パウル・ヴンダーリッヒ、8.ルオー、9.シャガール、15.ダリ 等がありました。
■デルボーの版画は、1960年以降に製作されはじめていますが、その当時知られていた作品97点をすべて取り揃えた版画展。カラー図版は巻頭にある彩色版画の6点のみです。図録の版形は小さいですが、ページいっぱいの図版のため大きくわかり、デルボーの版画レゾネの代わりとしてこの図録をよく利用していました。
□寄稿:
●坂崎乙郎「デルボーの女たち」
1982 ベルギー象徴派展図録
1982年11月12日〜1983年1月23日 東京国立近代美術館
1983年2月5日〜3月21日 兵庫県立近代美術館 1983年4月1日〜4月24日 北海道立近代美術館 表紙:フェルナン・クノップフ「アクラシア」 サイズ:27×24センチ 147ページ 装丁:ソフトカバー |
日本はじめての本格的なベルギー象徴派展。アントワーヌ・ウィールツ、フェリシアン・ロップスにはじまり、クノップフ、ド-ヌンク、デルヴィルなど18名の主要作品約120点を展望できます。但し図版の半分が白黒図版であることがしごく残念です。
デルヴォーは121〜129ページにおいて、ベルギー象徴派の衣鉢を継ぐ正統な後継者と扱われて最期に掲載してあります。 作品数は15点。うち8点がカラー掲載。
□寄稿:
●「象徴主義の理解のために」穴沢一夫(筑波大学教授) pp.11-16 最後にデルヴォーについて触れている。
○「象徴主義と沈黙の諸形式」フィリップ・ロベール=ジョーンズ pp.17-22
○「仮面劇−クノップフ、三島そしてナルシシスム」フランス・ベンデル pp.23-27
○出品目録および解説目録 カトリーヌ・ド・クロエス デルヴォーはpp.121-129
○「反復と差異」本江邦夫 pp.131-135
◎関連事項 ◎対比年表