シュルレアリスムの展覧会

■シュルレアリスムの展覧会でもマグリットの作品を見ることができます。しかしシュルレアリスムを主題として取り扱う展覧会はそう多くはありません。
■マグリットの作品は、シュルレアリスムの画集においても当然扱われていますが、ごく当たり前の定番作品の収録が多いので、このページでは稀な作品が掲載されていて、なおかつ収録点数が多い画集を一部ご紹介します。

2011 シュルレアリスム展 パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による   ■壮観!

「シュルレアリスム」展のチラシ 「シュルレアリスム」展のチラシ
2011年2月9日-5月9日 国立新美術館
図録サイズ:29.3×22.4センチ 292ページ ソフトカバー

■芸術の都パリの中でも、主に20世紀の現代美術の収集・保存を担うポンピドーセンターのシュルレアリスム作品約170点を一堂に介した大型展覧会。シュルレアリスムを5つの時代に分けて、その中から重要な要素と言える言葉、観点(例えば「自動記述」「オブジェ」「パラノイア=クリニック」「ミノトール」等)から作品を並べ、運動の全貌を探ろうとする有意義な内容でした。
■チラシはマグリットの「秘密の分身」とイヴ・タンギーの「岩の窓のある風景」が使われていました。
1997年のポンピドー・コレクション展では、マグリットの作品は「赤いモデル」と「二重の秘密」(秘密の分身)の2作品しか来てなかったのですが、今回は7作品。
■マグリットの作品は7点
1.「旅の想い出」原題:Souvenir de voyage 1928年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.90)図録通番21。50ページ掲載。日本初公開。後期の石化した「旅の想い出」シリーズとは違います。
2.「秘密の分身」原題:Le double secret 1927年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.164)図録通番22。51ページ掲載。会場では音声解説あり。1997,2002年に来ています。
3.「赤いモデル」原題:Le modèle rouge 1935年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.382)図録通番50。85ページ掲載。会場では音声解説あり。ボイマンス美術館所蔵のと比べて見てください。
4.「夏の行進」原題:Les marches de l'été 1938年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.466)図録通番95。118ページ掲載。画集ではよく見かけますが、初めて見ました。
5.「凌辱」原題:Le viol 1945年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.580)図録通番131。159ページ掲載。1971,1994,1996,2002年とよく来る作品です。
6.「ダビッドのレカミエ夫人」原題:Madame Récamier de David 1967年 ブロンズ(レゾネNo.1089)図録通番155。193ページ掲載。横浜美術館にもあります。
7.「ストロピア」原題:Le stropiat 1948年 油彩・合板で裏打ちしたカンヴァス(レゾネNo.658)図録通番158。197ページ掲載。1994年に来ています。
■デルヴォーの作品が1点
「アクロポリス」原題:L'Acropole 1966年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.296)図録通番154。192ページ掲載。

□寄稿:
○「ポンピドゥセンター・パリ国立近代美術館のコレクションにおけるシュルレアリスム」ディディエ・オッタンジェ(Pompidou副館長)pp.11-15
○「マルセル・デュシャントシュルレアリスム」南雄介(国立新美術館学芸課長)pp.217-221
○「ジョルジュ・デ・キリコとシュルレアリスム:内的世界の透視図法」阿部真弓(国立新美術館研究補佐員)pp.222-227
◎主要年表(1916-1966) ◎主要文献 など

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2007-2 シュルレアリスムと美術 イメージとリアリティーをめぐって   ■お勧め!

「シュルレアリスムと美術」展のチラシ
2007年4月21日-6月17日 宇都宮美術館
2007年7月3日-9月17日 豊田市美術館
2007年9月29日-12月9日 横浜美術館
図録サイズ:26×19センチ 194ページ 装丁:ソフトカバー

■国内のシュールレアリスム作品を一堂に介した展覧会です。巡回している宇都宮、豊田、横浜と聞けば、確かにマグリットを所蔵する有名な国内美術館がある都市です。こちらは海外の作品も少し出展されていました。
■同時期に巡回していた「シュルレアリスム展−謎をめぐる不思議な旅」と一緒に見ることによって、国内のシュルレアリスム作品はほぼ堪能できるようになっていました。もともとこういう企画だったのでしょうか。会場はテーマ別に章建て構成なので、マグリットの作品もあちらこちらにあり、こちらの展覧会の方が、若干難解なのかもしれません。二つの展覧会の図録を手にとって見ても「白」と「黒」なので、まさしく表裏一体と言えるでしょう!。例えばポーラ美術館所蔵のマグリット作品「水滴」「生命線」はそれぞれ分けて出展されています。
■マグリットの作品は9点、うち2点は海外から。
1.「固定観念」原題:L'idee fixe 1928年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.269)ベルリン国立美術館群、ナショナルギャラリー蔵。図録通番32。68ページ掲載。
2.「人気のあるパノラマ」原題:Panorama populaire 1926年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.122)デュッセルドルフ、ノルトライン=ヴェストファーレン美術館蔵。図録通番47。82ページ掲載。
■国内は以下7点。   
3.「人間の条件」原題:La condition humaine 1935年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.372)小ぶりの作品。個人蔵とありますが豊田市美術館への寄託作品でしようか? 図録通番48。83ページ掲載。
4.「大家族」原題:La grande famille 1963年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.972)宇都宮美術館蔵。2002年の渋谷では見られなかったので、はじめて見ました! 図録通番50。85ページ掲載。
5.「王様の美術館」原題:Le musée du roi 1966年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.1049)横浜美術館蔵。図録通番51。86ページ掲載。
6.「青春の泉」原題:La fountaine de jouvence 1966年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.869)横浜美術館蔵。図録通番49。84ページ掲載。
7.「無謀な企て」原題:Tentative de l'impossible 1928年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.284)豊田市美術館蔵。図録通番55。89ページ掲載。
8.「生命線」原題:La ligne de vie 1936年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.405)ポーラ美術館蔵。図録通番56。90ページ掲載。
9.「夢」原題:Le rêve 1945年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.589)宇都宮美術館蔵。図録通番57。91ページ掲載。

■デルヴォーの作品は3点
1.「三つの骸骨」原題:Trois squelettes 1942年 インク、水彩・紙 横浜美術館蔵。図録通番87。121ページ掲載。
2.「こだま」原題:Echo 1943年 油彩・カンヴァスに貼った紙(油彩レゾネNo.125)愛知県美術館蔵。図録通番100。136ページ掲載。
3.「階段」原題:L'escalier 1948年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.190)横浜美術館蔵。図録通番67。101ページ掲載。


□寄稿:
○「シュルレアリスムが開く「類比」としてのイメージ」中村尚明(横浜美術館学芸員)pp.7-16
○「イメージの発生、イメージの治療」石川潤(宇都宮美術館学芸員)pp.17-24 23ページにマグリットに関する言及箇所
○「シュルレアリスムと戦後の美術」北谷正雄(豊田市美術館学芸員)pp.25-31
◎作家解説:167-179ページ 参考文献:180-185ページ

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2007-1 シュルレアリスム展 謎をめぐる不思議な旅   ■お勧め!

「シュールレアリスムと美術」展のチラシ
2007年2月21日-3月25日 埼玉県立近代美術館
2007年4月7日-5月27日 岡崎市美術博物館
2007年6月2日-7月8日 山梨県立美術館
2007年7月21日-9月2日 宮崎県立美術館
2007年9月15日-10月28日 姫路市立美術館
図録サイズ:26×19センチ 182ページ 装丁:ソフトカバー

■シュルレアリスムの作品を所蔵する国内の美術館が協力しながら、その名品を一堂に集めて国内巡回した美味しい展覧会です。シュルレアリスムを分かりやすくわかりやすく紹介。
■もしかして同時期に巡回していた「シュールレアリスムと美術」と一緒に見ることによって、国内のマグリット作品(個人蔵は捨て置き、少なくとも美術館所蔵作品)はほぼ堪能できるようになっているのではと期待しました。
■マグリットの作品は9点。「ジョルジェット」だけ序章で扱い、以下は「第三章.夢の遠近法」として解説。
1.「ジョルジェット」原題:Georgette 1935年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.388)姫路市立美術館蔵。会場の序章で展示されてました。図録通番1。19ページ掲載。
2.「現実の感覚」英題:A Sense of Reality 1963年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.968)宮崎県立美術館蔵。図録通番83。95ページ掲載。
3.「人間嫌いたち」英題:The Misanthropes 1942年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.511)広島県立美術館蔵。図録通番84。96ページ掲載。
4.「観光案内人」英題:The Cicerone 1947年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.626)姫路市立美術館蔵。図録通番85。97ページ掲載。
5.「水滴」英題:The Drop of Water 1948年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.669)ポーラ美術館蔵。図録通番86。98ページ掲載。
6.「レディ・メイドの花束」英題:The Ready-made Bouquet 1957年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.859)大阪市立近代美術館建設準備室蔵。図録通番87。99ページ掲載。
7.「幕の宮殿」英題:The Palace of Curtains 1964年 グワッシュ・紙(レゾネNo.1573)姫路市立美術館蔵。図録通番88。100ページ掲載。
8.「宝石」英題:Jewel 1966-67年 グワッシュ・紙(レゾネNo.1596) 姫路市立美術館蔵。図録通番89。100ページ掲載。
9.「白紙委任状」英題:Carte Blanche 1966年 グワッシュ・紙(レゾネNo.1592?)宮崎県立美術館蔵。図録通番90。101ページ掲載。

■デルヴォーの作品は8点
1.「水のニンフ(セイレン)」英題:Water nymphs(The sirens) 1937年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.84)姫路市立美術館蔵。図録通番56。68ページ掲載。
2.「こだま」英題:Echo 1943年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.125)愛知県美術館蔵。図録通番57。69ページ掲載。
3.「森」英題:The forest 1948年 油彩・板(油彩レゾネNo.192)埼玉県立近代美術館蔵。図録通番58。70ページ掲載。
4.「海は近い」英題:The sea is near 1965年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.295)姫路市立美術館蔵。図録通番59。71ページ掲載。
5.「立てる女」英題:Standing woman 1954-56年 油彩・板(油彩レゾネNo.332)姫路市立美術館蔵。図録通番60。72ページ掲載。以下3点(5-7)は、ジルベール・ペリエ氏の邸宅のサロンを飾っていた壁画構成の一部であり、ドアの部分にあたるもの。
6.「女神」英題:Goddess 1954-56年 油彩・板(油彩レゾネNo.332)姫路市立美術館蔵。蔵。図録通番61。72ページ掲載。
7.「乙女達の行進」英題:Procession of maidens 1954-56年 油彩・板(油彩レゾネNo.332)姫路市立美術館蔵。図録通番62。73ページ掲載。
8.「アレジア」英題:Alesia 1966年 水彩・紙 姫路市立美術館蔵。図録通番63。74ページ掲載。

□寄稿:
○「シュルレアリスムの表皮 謎の領域−表層からの表象」村松和明(岡崎市美術博物館学芸員)pp.10-15
◎シュルレアリスムの年表(1916-1945)あり。ページ毎に年表下段にコラムがあります。pp.146-161
◎シュルレアリスム人物紹介 pp.162-169
◎出品リスト:pp.170-181 これを見ると巡回場所ですべての作品展示がなされていた訳ではないことがよくわかります。国内5カ所だから仕方がないかもしれません。

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2004 ヨーロッパ幻想の系譜展

ヨーロッパ幻想の系譜展図録表紙
2004年9月11日〜10月24日 姫路市立美術館
2004年11月6日〜12月15日 高崎市美術館
表紙:フェリシアン・ロップス/作 「古い物語」
図録サイズ:25.6×19.8センチ ハードカバーのブックタイプ

■19世紀後期から20世紀にかけてヨーロッパにおいて芸術家たちが追求した「幻想」のイメージの系譜を日本国内の美術館所蔵品のみで紹介する展覧会です。開催館はベルギー芸術の収集で有名な姫路市立美術館。
■マグリットの作品は5点。第4章「シュルレアリスム」で紹介。姫路市所蔵の2点以外は、豊田市と横浜市のマグリット。
1.「無謀な企て」原題:Tentative de l'impossible 1928年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.284)豊田市美術館蔵。図録通番69。62ページに掲載。
2.「ジョルジェット」原題:Georgette 1935年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.388)姫路市立美術館蔵。図録通番70。63ページに掲載。
3.「宝石」原題:La pierre 1966年 グワッシュ・紙(レゾネNo.1596)姫路市立美術館蔵。図録通番71。64ページに掲載。
4.「青春の泉」原題:La fontaine de Jouvence 1957-58年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.869)横浜美術館蔵。図録通番72。63ページに掲載。
5.「王様の美術館」原題:Le musée du roi 1966年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.1049)横浜美術館蔵。図録通番73。65ページに掲載。

□他のシュールレアリストたちの紹介は、エルンスト4点、ミロ3点、ハンス・ベルメール4点、マン・レイ4点、ピカソ2点、ほかアンドレ・ブルトン、ヴィクトル・ブローネル。

□寄稿:
●「美術の中の幻想」高瀬晴之(姫路市立美術館学芸員) 9-15ページ。マグリット、デルヴォーについて言及箇所として14ページ
○「素材における幻想性−19世紀後期から20世紀初期のガラス工芸」柴田純江(高崎市美術館学芸員) 82-86ページ
◎作家略歴 87ページ ◎参考文献 94-95ページ

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1998 シュルレアリスムの巨匠展

シュルレアリスムの巨匠展図録表紙
1998年7月25日〜9月6日 岡崎市美術博物館
1998年9月11日〜29日 大阪・近鉄アート館
1998年10月23日〜11月29日 北九州市立美術館
図録サイズ:28×22.7センチ ソフトカバー

マグリット作品掲載の見開きページ画像 ■巌谷國士氏による監修。アンドレ・ブルトンの作品や「シュルレアリスト屏風」「甘美な死骸」というシュルレアリストたちによる合作も図録に掲載されています。
■ジャン・アルプ、ハンス・ベルメール、ヴィクトル・ブローネル、デ・キリコ、ダリ、デルヴォー、エルンスト、ジャコメッティ、ヴィフレド・ラム、マッソン、マッタ、ミロ、ピカビア、マン・レイ、クルト・セリグマン、イヴ・タンギー、ラウル・ユバックと豪華な歴々であり、東京周辺には何故か巡回して来なかった展覧会です。
■マグリットの作品は、油彩画4点。解説はなし。
1.「管理人室」原題:La Loge 1927年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.67)個人蔵。図録通番83。99ページに掲載。日本初公開。頭が二つある人物が管理人なのか。
2.「ジョルジェット」原題:Georgette 1935年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.388)姫路市立美術館蔵。図録通番84。100ページに掲載。
3.「観光案内人」原題:Le Cicérone 1947年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.626)姫路市立美術館蔵。図録通番85。101ページに掲載。
4.「女スフィンクスの合唱」原題:Le Chœur Des Sphynges 1939年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.993)ブリュッセル、パトリック・デロム・ギャラリー。図録通番86。102ページに掲載。

■デルヴォーは5点
1.「夜の通り(散歩する女たちと学者)」原題:Une rue la nuit 1947年 油彩・メゾナイトボード(油彩レゾネNo.180)福岡市美術館蔵。図録通番64。78ページに掲載。
2.「兜と骸骨」原題:Casques et squelettes 1953年 油彩・板(油彩レゾネNo.216)個人蔵。図録通番65。79ページに掲載。
3.「海は近い」原題:La mer est proche 1955年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.295)姫路市立美術館蔵。図録通番66。80ページに掲載。
4.「青い長椅子」原題:Le canapé bleu 1967年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.301)個人蔵。図録通番68。81ページに掲載。
5.「魔女たちの夜宴」原題:Le sabbat 1962年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.269)個人蔵。図録通番67。82-83ページに掲載。

□寄稿:
○「序」巌谷國士 pp.10-11
○「無意識の探求者、シュルレアリスムの巨匠たち」ジュヌヴィエーヴ・モニエ pp.12-15
13ページ「劇的なるものへの嗜好」でマグリット「夏の行進」(1938)について言及箇所あり。
○「シュルレアリスムの視覚的表象」村松和明(岡崎市美術博物館学芸員)pp.134-137
◎シュルレアリスム関連年表 pp.138-152

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1987 5人のシュルレアリストとヴォルス展図録

5人のシュルレアリストとヴォルス展図録表紙
1987年6月8日〜24日 東京銀座・佐谷画廊
図録サイズ:24×18センチ 28ページ程度の小冊子

■マックス・エルンスト、ルネ・マグリット、ジョアン・ミロ、瀧口修造、イヴ・タンギーと5人のシュルレアリスム画家たちの作品と、実際にはシュルレアリスムの強い影響をうけたと思われるオートマティスムのヴォルスを紹介する展覧会。
■マグリットの作品は、7点一組のエッチング「対蹠地の黎明」1966年。巻末の略歴紹介で、“マグリットの版画は極めて点数が少ない。1982年に刊行されたGilbert E.Kaplan、Timothy Baum両氏編集のマグリットの版画カタログ・レゾネによると作成点数はわずか20点に過ぎない。”と明記されています。

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1983 シュールレアリスムの巨匠たち展図録

シュールレアリスムの巨匠たち展図録表紙
1983年2月27日〜3月22日 新宿・伊勢丹美術館
表紙:ルネ・マグリット/作「光の帝国」1954年
主催:東京新聞
図録サイズ:24×25センチ

■デ・キリコ、エルンスト、ダリときて、マグリット、デルヴォー。そしてミロ、タンギー、マッタ、マン・レイ、最後はヴィクトール・ブラウナーと10人の画家による約110点の作品を並べた豪華なシュールレアリスム展。表紙が「光の帝国」というのが嬉しいです。
■マグリットの作品は15点。15点中3点がモノクロ画像での掲載。10人のなかでも取り上げ点数が多いと言えるでしょう。
■メニル・コレクション6点を含め、アメリカにあるマグリット作品で展示構成。しかも前年1982年に日本ではマグリット展が開催されており、だぶらない作品が多い。「マグリット展補遺」とも言えるぐらいの内容です。
1.「夢の果実」原題:Le fruit des reves 英題:The fruit of dreams 1927年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.193) 図録通番44。モノクロ画像。
2.「言葉の意味U」原題:Le sens propre U 英題:The proper meaning U 1928-29年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.307) 図録通番45。
3.「カーテンの宮殿V」原題:Le palais des rideaux V 英題:The palace of curtains 1927年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.305) 図録通番46。モノクロ画像。
4.「永遠」原題:Eternite 英題:Eternity 1935年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.389) 図録通番47。モノクロ画像。
5.「未来」原題:L'avenir 英題:The future 1950年 油彩・カンヴァス(レゾネ725) 図録通番48。
6.「遠近法:ジェラールの「レカミエ夫人」」 原題: 英題:Perspective:Madame Récamier of Gérard 1950年 油彩・カンヴァス(レゾネ741) 図録通番49。
7.「大様式」原題:Le grand style 英題:The grand style1951年 油彩・カンヴァス (レゾネ763) 図録通番50。
8.「光の帝国」原題:L'empire des lumieres 英題:The empire of light 1954年 油彩・カンヴァス(レゾネ809) 図録通番51。表紙として扱われている。このあと1988年の「マグリット展」でも再度来ています。
9.「物の力」 原題:La force des choses 英題:The force of things1958年 油彩・カンヴァス(レゾネ871) 図録通番52。
10.「恩寵の国」原題:L'etat de grâce 英題:The state of grace 1959年 油彩・カンヴァス(レゾネ901) 図録通番53。
11.「イカロスの少年時代」原題:L'enfance d'Icare 英題:The childhood of Icarus 1960年 油彩・カンヴァス(レゾネ923) 図録通番54。
12.「愛する宮廷」原題:La cour d'amour 英題:The court of love 1960年 油彩・カンヴァス レゾネ920) 図録通番55。
13.「誇大妄想狂」原題:La folie des grandeurs 英題:Megalomania 1962年 油彩・カンヴァス(レゾネ941) 図録通番56。
14.「軽やかな木立の間」原題:Parmi les bosquets legers 英題:Among th light woods 1965年 油彩・カンヴァス(レゾネ1019) 図録通番57。
15.「バウキスの風景」原題:Le paysage de Baucis 英題:The landscape of Baucis 1966年 油彩・カンヴァス(レゾネ1032) 図録通番58。

■デルヴォーの作品は6点
1.「古典的風景の中の人物 」原題:Figures dans un paysage classique 1940年 混合技法・ボード 図録通番59。
2.「青い電車」原題:Le train bleu 1946年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.178) 図録通番60。
3.「凧をあげる婦人 」原題:Les dames aux cerfs-volants 1950年 油彩・パネル(油彩レゾネNo.199) 図録通番61。
4.「ローカル線」原題:Le vicinale 1959年 油彩・パネル(油彩レゾネNo.245)図録通番62。
5.「春」原題:Le printemps 1961年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.278)図録通番63。
6.「高架橋」原題:Le viaduc 1963年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.276)図録通番64。

□寄稿:
○「シュールレアリスム覚え書」ヒルトン・クレイマー
○「ロマン主義、世紀末からシュールレアリスムへ」千足伸行(美術評論家)
T.ネルヴァルとノヴァーリス U.ユゴーとフリードリヒ V.モロー、ラファエル前派、ベックリン、クリンガー
○「日本のシュールレアリスム、あるいは」酒井忠康(美術評論家)
◎出品目録のうち作家略歴 千足伸行

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1982 シュールレアリスムの世界展図録

シュールレアリスムの世界展図録表紙
副題:フランス芸術誌「ミノトール」の作家たち
1982年7月20日〜8月1日 日本橋三越
1982年9月15日〜9月21日 藤沢さいか屋
主催:毎日新聞社
表紙:パブロ・ピカソ作「闘牛」1934年
図録サイズ:24×25センチ

■1933年から39年にかけて刊行された、シュールレアリスムの新たなヴィジョンをもたらした芸術家や作家たちを糾合した芸術雑誌『ミノトール』を中心にしたシュールレアリスム展。
■なお1982年の同時期8〜10月にかけて、日本で2回目のマグリット展が開催されています。
■マグリットの作品は5点
1.「秘密の遊戯:Le Joueur secret 1926年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.138) 図録通番54。
2.「下校」原題:La sortie de l'école 1927年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.158) 図録通番55。
3.「幕の宮殿」原題:Le palais des rideaux 1927年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.273) 図録通番56。モノクロ図版。
4.「風景の魅力」原題:Les charmes du paysage 1929年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.266) 図録通番57。
5.「銅の手錠」原題:Les menottes de cuivre 1936年 石膏、彩色(レゾネNo.678) 図録通番58。
■デルヴォーの作品は油彩2点
1.「水浴するニンフ」原題:Les nymphes se baignant 1938年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.84) 図録通番21。
2.「大きな骸骨」原題:Les grands squelettes 1944年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.142) 図録通番22。

□寄稿:
○「ミノトール−1930年代の溌剌とした精神の源泉」ジャニーヌ・ワルノー
○「私たちにとってシュールレアリスムとは」大島清次
●芸術誌「ミノトール」総目次

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[画集]シュルレアリスムの絵画(アート・ライブラリー・シリーズ)


1997年10月刊行 西村書店
サイモン・ウィルソン/著 新関公子/訳
表紙:マグリット「闇の中の光の欲女」
画集サイズ:30.5×22.5cm ソフトカバー

■カラー図版48点:シュールレアリスムの画家達の代表作品がページいっぱいで大きく、関連挿図と解説付きで掲載されています。
■そのうちマグリットは5点掲載。これはマックス・エルンスト6点、ジョアン・ミロ5点、ダリ5点に次ぐ扱い。
■デルヴォーは4点、イヴ・タンギー3点、ロベルト・マッタ3点と続きます。
□ハンス・ベルメールの絵「独楽(ペグ・トップ)」やコラージュ作家コンロイ・マドックスの作品「オペラ座横丁」など興味深い作品もいくつか掲載されています。
■表紙の作品については、同じ西村書店のシリーズのなかの「マグリット」の巻で取りあげており、解説付きで収録されています。

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[画集]現代の絵画17 シュルレアリスムの世界

「現代の絵画17 シュルレアリスムの世界」画集表紙
1975年12月刊行 平凡社 図版印刷:ファブリ社(ミラノ)
エンリコ・クリスポルティ/著 瀧口修造・宮川淳/訳
画集サイズ:30.7×25.5cm、100ページ ハードカバー

■この画集のオリジナルは、1969年にイタリアでファブリ社から出版。そのせいか他の画集では見ることができない珍しい作品が多いです。(例えばイタリアの美術館所蔵の作品が多い。)
■マグリットは3点。あまり見かけない作品がやはり掲載されています。
1.「極光」原題:La Lumière du pôle 1927年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.129)画集通番25。
2.「影の遺物」原題:Les épaves de l'ombre 年代不詳 油彩・カンヴァス(レゾネNo.102)画集通番26。
3.「椅子」原題:La légende des siècles 1950年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.717)画集通番27。
■デルヴォーは2点
1.「夜明け」原題:L'aube 1937年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.85)画集通番32。
2.「月の位相」原題:Les phases de la lune 1939年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.96)画集通番33。
□ほかに図版収録作家は、デ・キリコ、デュシャン、ハンス・アルプ、エルンスト、アンドレ・マッソン、イヴ・タンギー、ハンス・ベルメール、ピカソ、アーシール・ゴーキー、ヨゼフ・シーマ、トワイエン、ウィフレード・ラム、ピカビア、ミクラーシュ・メディック、フランティシェク・ムジーカ、パウル・クレーほか。

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