日本の美術館が所蔵するマグリット…


■日本国内でマグリットの作品を所蔵している美術館があります。必ず常設展示されているとは限りませんので、行く前には必ずご確認ください。
■マグリットの作品は、高額で購入される作品もあり、そこの美術館の目玉となる可能性があります。だから「常設展図録」や「所蔵作品選図録」には解説つきで掲載されていることがあります。
■2007年に開催された二つのシュルレアリスム展に、それぞれマグリットの国内作品が貸出され、巡回展として国内各地で開催されました。


■油彩画・グワッシュ・ブロンズの作品がある美術館を、関東から西へ順番にご紹介…

1.川村記念美術館

http://kawamura-museum.dic.co.jp/

川村記念美術館[所蔵コレクション図録] マグリット作品掲載の見開きページ画像 ■大日本インキ化学工業株式会社がその関連グループ会社とともに収集してきた美術品を広く公開するために、千葉県佐倉に1990年5月に開館。約800点以上からなるコレクションには、20世紀のモダンアートも含められています。特に2階展示室は体育館のように広く、フランク・ステラの大きな作品が展示されています。またロスコ・ルームも有名です。
■マグリットの油彩画2点
「感傷的な対話U」原題:Le Colloque Sentimental 1947年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.619)
「冒険の衣服」原題:La Robe de L'aventure 1926年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.101)
■「川村記念美術館・所蔵コレクション」図録(1990年4月刊行)の68-69ページに掲載。表紙を飾る鮮やかな作品は、ジャクソン・ポロック作「緑、黒、黄褐色のコンポジション」。

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2.横浜美術館

http://www.yaf.or.jp/yma/index.php

横浜美術館コレクション選1989図録 マグリット作品掲載の見開きページ画像 ■1989年11月にみなとみらいに開館した横浜美術館は、20世紀の現代絵画作品を多く所蔵しています。ピカソ、ブラックのキュビズムに始まり、エルンスト、ミロ、ダリ、タンギー、マッソン、マッタ、ドミンゲス、デルヴォーらシュールレアリスム画家達の作品も多く所蔵していることで有名です。
■マグリットの油彩画2点
「青春の泉」原題:La Fontaine de Jouvence 1957-58年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.869)
「王様の美術館」原題:Le Musée du Roi 1966年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.1049)
■「横浜美術館・コレクション選1989」図録(1989年3月刊行)の48-51ページに掲載。
■ブロンズ作品もあります。
「ダヴィド作レカミエ夫人」原題:Madame Récamier de David 1967年 ブロンズ(レゾネNo.1089)
■ほかに写真作品も所蔵しています。
「石の星」「出現」「幸せな日」 1935年 ゼラチンシルバープリント
「破壊者」 1943年 ゼラチンシルバープリント

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3.宇都宮美術館

http://u-moa.jp/

「宇都宮美術館収蔵作品選」図録 マグリット作品掲載の見開きページ画像 ■市制100周年を記念して1997年3月に開館。マティス、クレー、カンディンスキー等の20世紀美術作品にはじまり、エル・リシツキー、ロトチェンコ、マレーヴィチ等の構成主義作品等も所蔵しており、近現代のデザイン作品を収集する美術館としても有名です。
■マグリットの油彩画2点
「大家族」原題:La Grande Famille 1963年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.972)
「夢」原題:Le Rêve 1945年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.589)
■「宇都宮美術館収蔵作品選」図録(1999年3月刊行)の110-113ページに掲載。

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4.東京富士美術館

http://www.fujibi.or.jp/

■マグリットの油彩画2点
「観念」原題:L'idée 1966年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.1053)
「再開」原題: 1965年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.--)

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5.笠間日動美術館

http://www.nichido-garo.co.jp/museum/

■マグリットの作品1点
「みかんの顔」原題:? 1946年 紙・水彩、クレヨン  ※未見!

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6.ポーラ美術館

http://www.polamuseum.or.jp/index.php

■マグリットの油彩画3点
「水滴」原題:La Goutte D'eau 1948年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.669)
「生命線」原題:La Ligne de Vie 1936年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.405)
「前兆」原題:Le Précurseur 1938年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.455)

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7.新潟市美術館

http://www.ncam.jp/html/

「新潟市美術館全所蔵作品図録」 マグリット作品掲載の見開きページ画像 ■1984年に開館した美術館。翌年のピエール・ボナール「浴室の裸婦」の購入で有名となる。他にクレー、エルンスト、レジェ等の海外名画を10点程所蔵。
■マグリットの油彩画1点。1999年に購入。
「博学な樹」原題:L'arbre Savant 1926年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.82)
■「新潟市美術館全所蔵作品図録-絵画編-」図録(2006年2月刊行)の23ページに掲載。解説あり。

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8.富山県立近代美術館

http://www.pref.toyama.jp/branches/3042/3042.htm

■マグリットの作品2点
「真実の井戸」原題:Les Puits de Vérité 1962-63年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.965)
「真実の井戸」原題:Les Puits de Vérité 1967年 ブロンズ(レゾネNo.1087)

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9.豊田市美術館

http://www.museum.toyota.aichi.jp/

■マグリットの油彩画2点
「無謀な企て」原題:Tentative de L'impossible 1928年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.284)
「人間の条件」原題:La Condition Humaine 1935年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.372)個人蔵の寄託

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10.メナード美術館 ■2010年購入−初公開!

http://museum.menard.co.jp/

■マグリットの油彩画1点
「星座」原題:La constellation 1942年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.512)
「メナード美術館コレクション名作展」(2010年9月16日〜12月23日)で初公開されました! http://museum.menard.co.jp/exhibition/ex1005/index.html
2010年購入⇒$

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11.姫路市立美術館 ■ベルギー関係なら国内最大コレクション!

http://www.city.himeji.lg.jp/art/

■マグリットの油彩画2点
「ジョルジェット」原題:Georgette 1935年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.388)
「観光案内人」原題:Le Cicerone 1947年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.626)
■マグリットのグワッシュ2点
「幕の宮殿」原題:Le Palais de Rideaux 1964年 グワッシュ・紙(レゾネNo.1573)
「宝石」原題:La Pierre 1966年 グワッシュ・紙(レゾネNo.1596)
■マグリットのエッチング10点??
「恐怖のコルク栓」原題:Le Bouchon d'Epouvante 1966年 エッチング(版画レゾネNo.11)
「無題」(雲の上に時計):Untitled 1966年 エッチング(版画レゾネNo.9)
以上は『対蹠地の黎明』原題:Aube à L'antipole のための挿絵
「結婚した司祭」原題:Le Prêtre Marié 1968年 エッチング・色あり(版画レゾネNo.13)
「9月16日」原題:Le seize septembre 1968年 エッチング・色あり(版画レゾネNo.14)
「音楽のレッスン」原題:La Leçon de Musique 1968年 エッチング・色あり(版画レゾネNo.15)
「生活の術」原題:L'art de Vivre 1968年 エッチング・色あり(版画レゾネNo.16)
「目」原題:L'oeil 1968年 エッチング・色あり(版画レゾネNo.17)
「オールメイヤーの阿房宮」原題:La Folie Almayer 1968年 エッチング・色あり(版画レゾネNo.18)
「無題」(帽子の上に男の顔)Untitled 1968年 エッチング(版画レゾネNo.19)
「無題」(洋梨に薔薇、雨の背景)Untitled 1968年 エッチング(版画レゾネNo.20)
もしかしたらマグリットの版画と言われるものは全部持っているのかも…
■マグリットのリトグラフ12点組連作
「マグリットの捨て子たち」Foundlings of Magritte 1968年 エッチング12点組
1.「マザーグース」 1968年 リトグラフ
2.「宝石」 1968年 リトグラフ
3.「囚われの美女」 1968年 リトグラフ
4.「困難な航海」 1968年 リトグラフ
5.「魅せられた領域T」1968年 リトグラフ
6.「魅せられた領域U」1968年 リトグラフ
7.「魅せられた領域V」1968年 リトグラフ
8.「魅せられた領域W」1968年 リトグラフ
9.「魅せられた領域X」1968年 リトグラフ
10.「魅せられた領域Y」1968年 リトグラフ
11.「魅せられた領域Z」1968年 リトグラフ
12.「魅せられた領域[」1968年 リトグラフ

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12.大阪市立近代美術館(仮称)

http://www.city.osaka.lg.jp/yutoritomidori/page/0000009428.html

■マグリットの油彩画1点
「レディ・メイドの花束」原題:Le Bouquet Tout Fait 1957年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.859)

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13.広島県立美術館

http://www1.hpam-unet.ocn.ne.jp/

■マグリットの油彩画1点
「人間嫌いたち」原題:Les Misanthropes 1942年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.511)

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14.宮崎県立美術館

http://www.miyazaki-archive.jp/bijutsu/index.html

■マグリットの油彩画1点とグワッシュ1点
「現実の感覚」原題:Le Sens des Réalités 1963年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.968)
「白紙委任状」原題:Le Blanc-Seing 1966年 グワッシュ・紙(レゾネNo.1592?)

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■リトグラフ、エッチング、写真等を所蔵している美術館…(他にもあるかもしれません)

15.北海道立近代美術館

http://www.aurora-net.or.jp/art/dokinbi/

■マグリットのリトグラフ5点?があり。「魅せられた領域」の一部。

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16.うらわ美術館

http://www.uam.urawa.saitama.jp/index.htm

■マグリットのエッチングあり。 ※未見!
「対蹠地の黎明」原題:Aube à L'antipode 1966年 エッチング7点
「マルドロールの歌」原題:Les Chants de Maldoror 1948年 挿絵本

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17.岡崎市美術博物館

http://www.city.okazaki.aichi.jp/museum/bihaku/top.html

■マグリットのリトグラフがあり。

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■たぶん個人蔵というか私的コレクション…(他にもあるかもしれません)

イセ・コレクション


「世界の巨匠展」図録 マグリット作品掲載の見開きページ画像 ■イセ・コレクションは、イセ食品グループによるイセ文化基金が収集する美術コレクションです。
■画像図録は、1987年4月23日〜5月26日にプランタン銀座オープン3周年記念として開催された「世界の巨匠展」の図録です。イセ・コレクション(伊勢彦信)特別公開とあります。
■マグリットの作品は2点
「宴」原題:Le Banquet 1951年 グアッシュ・紙(レゾネNo.--)図録通番54。夕日か朝日のように地平線近くに見える赤い太陽に刺し貫かれた森のモチーフは、油彩とグアッシュ含めてレゾネで8点確認できるが、この作品は見当たらず。1988年のマグリット展130番目の「饗宴」(1962年)に似ているが、製作年が違う。製作年が1951年だとすると、どの「宴」よりも先行して造られた原型作品となるが…。
「公園」原題:Le Lieu Common 1963年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.994) 図録通番55.図録の表紙にも使われています。
■デルヴォーの作品1点
「灰色の都市」原題:La Ville Grise 1943年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.124)図録通番56。
■イセ・コレクションの展覧会はこれ以降も開催されており、2つのマグリット作品も毎回公開されているようです。
  ●「イセ・コレクション近代絵画の100年展」1993年 熊本県立美術館ほか
  ●「イセコレクションによる名画の花束−フランス近代絵画を中心に」1999年 東京庭園美術館
参考リンク:イセ文化基金 http://www.isefoundation.org/about/active.html

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いなり記念館


■マグリットの油彩画1点
「日のきらめき」原題:L'éclat du Jour 1967年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.1062)
1988年、日本で3回目のマグリット展で展示されました。

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日本テレビ放送網


■マグリットの油彩画1点
「世紀の伝説」原題:La Légende des siècles 1950年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.?)
2007年、ホテルオークラ東京別館で開催された「第13回 秘蔵の名品 アートコレクション展」で展示されました。

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ユニマット


■マグリットの油彩画1点
「黒魔術」原題:La Magie Noire 1946年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.602) 未見!
2009年3月31日で閉館した青山ユニマット美術館で一度も公開されることもなく、海外流出??。

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■いまはなきマグリット作品を所蔵していた美術館をご紹介…

オートポリス・アート・ミュージアム ■アーカイヴ


オートポリスコレクションの図録 ■バブル経済の絶頂期、自動車レースの最高峰F1の誘致という壮大な夢に望み、大分県上津江村にオートポリスという本格的なサーキット場とその関連施設が平成2(1990)年に建設されました。そのひとつがオートポリス・アート・ミュージアムです。
■「オートポリスコレクション図録」は、ヨーロッパ絵画編、日本美術篇、モーターカー篇の3冊が箱に入っています。ヨーロッパ絵画編60-69ページにかけて、日本オートポリスが平成元(1989)年に14億円で購入した「魅せられた領域」(図録では「魔法をかけられた領土」)8枚組の絵画が掲載されています。
「魔法をかけられた領土」原題:Le Domaine Enchanté 1951-53年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.791)図録通番32。60-69ページに掲載。 マグリット作品掲載の見開きページ画像
■スポンサーである「日本オートポリス」は平成4(1992)年9月に破産。値下がりして売れない絵画として銀行の担保となり倉庫に眠っていましたが、マグリットの作品は、平成10(1998)年には国外流出、バラバラに売りに出されています。
■参考までにバブル期に日本が輸入した絵画は1兆円を超えるといいます。参考新聞記事:読売新聞1998年6月22日月曜日「死蔵の名画続々海外へ」
■デルヴォーの作品が2点
1.「電話と娘たち」原題:Les demoiselles du téléphone 1951年 油彩・板(油彩レゾネNo.205)図録通番33。71ページに掲載。
2.「甘美な夜」原題:Douce nuit 1962年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.268)図録通番34。72-73ページに掲載。

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長岡現代美術館 ■アーカイヴ


長岡現代美術館の図録 マグリット作品掲載の見開きページ画像 ■昭和39年(1964)に開館した長岡現代美術館は国内で初めて“現代”と銘打った、本格的な現代美術館でした。大光相互銀行(現在の大光銀行)社長の駒形十吉氏によって収集された作品群「大光コレクション」を有し、海外のモダン・アート作品も数多く含まれていたようです。また当時国内外の現代画家の登竜門と称された長岡現代美術賞(1964-68の5回実施)を制定していました。
■昭和54年(1979)に閉館し、建物は現在、長岡商工会議所として利用されています。参考リンク:「長岡の近代建築その7 −長岡文化会館・長岡現代美術館−」http://mawada.exblog.jp/9642321/
■この図録には、マグリットの作品が1点カラー図版で掲載されています。
「青春の泉」原題:La Fontaine de Jouvence 1957-58年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.869)
現在では横浜美術館に収蔵されている作品です。

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