ベルギー美術の展覧会って結構開催されています!

ベルギー関係図録の背タイトル画像

■ベルギーの美術、特に20世紀美術を主題とする展覧会ならば、当然マグリットの作品が出品されていると期待して良いでしょう。また「ベルギー国立美術館展」「リエージェ美術館展」のように、ベルギー国内にある美術館からごっそり借用する紹介展もマグリットの作品が含まれていることがあります。以下、図録の紹介は、マグリットの掲載作品が多い順に掲載してあります。
■例えば2005年は、日本とEU市民交流年として各地でイベントが開催され、「アンソール展」「べルギー象徴派展」「ゲント美術館名品展」「サイモン・コレクション展」とベルギー美術の展覧会が目白押しでした。
■各展覧会で展示されたマグリットの作品とデルヴォーの作品を明記しました。

2010 アントワープ王立美術館コレクション展

「アントワープ王立美術館コレクション展」チラシの表
副題:ベルギー近代美術の殿堂 アンソールからマグリットへ
2010年2月6日〜3月28日 茨城県近代美術館
2010年4月4日〜5月28日 ひろしま美術館
2010年6月4日〜7月19日 島根県立美術館
2010年7月28日〜10月3日 東京オペラシティギャラリー
表紙:マグリット/作「9月16日」1956年
図録サイズ:26.0×19.3cm ハードタイプ
「アントワープ王立美術館コレクション展」図録の表紙 ■ベルギー第二の都市、王都アントワープ)は、芸術・文化の中心として長い歴史を誇ります。王立美術館の大規模改修工事に伴う長期休館のため、ベルギー近代美術の39作家約70点の作品が来日。この展覧会のハイライトとされているのが、マグリットの「9月16日」で、図録の表紙やチケット、ちらしに活用されていました。
■マグリットは3点。たぶんどれも日本初公開。
1.「復讐」原題:La vengeance 1938-39年 グアッシュ・紙(レゾネNo.1147)図録通番68。82ページに掲載。解説あり。
2.「9月16日」原題:Le seize septembre 1956年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.836)図録通番69。83ページに掲載。解説あり。
3.「嵐の岬」原題:Le cap des tempêtes 1964年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.992)図録通番70。84ページに掲載。解説あり。
■デルヴォーは2点
1.「バラ色の蝶結び」原題:Les nœuds roses 英題:Pink Bows 1937年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.81)図録通番66。81ページに掲載。解説あり。
2.「ウェステンデの岬」原題:Westende 制作年不明 水彩・紙 図録通番67。80ページに掲載。解説あり。

□寄稿:
○「ベルギー美術 序章」ヘルウィッグ・トッズ(アントワープ王立美術館学芸員) 9-11ページ
□構成:
第1章 アカデミスム、外光主義、印象主義
第2章 象徴主義とプリミティヴィスム
第3章 ポスト・キュビスム:フランドル表現主義と抽象芸術
第4章 シュルレアリスム
◎作家解説 ◎関連年表(1830-1951)◎ベルギー関連地図

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2009 ベルギー幻想美術館(姫路市立美術館所蔵)


「ベルギー幻想美術館」展チラシ
副題:クノップフからデルヴォー、マグリットまで
2009年9月3日〜10月25日 東京渋谷・Bunkamuraザ・ミュージアム
「ベルギー幻想美術館」展図録の表紙
■姫路市は、ベルギーのシャルルロア市と姉妹都市であり、なかでも姫路市立美術館は国内屈指のベルギー絵画コレクションで知られています。その中でもデルヴォーの所蔵作品は油彩画4点を含み、主に版画を中心として百数点を誇ります。 このデルヴォー所蔵作品の借用展や巡回展は、関東の美術館でもよく見かけることがありますが、今回はさらにマグリットの油彩画2点を含めて、所蔵作品のほぼすべてが来ていたようでした。
■会場では、姫路市立美術館の図録「コレクションでたどる姫路市立美術館の25年」2009年3月刊行と「マグリットとデルヴォー 版画の世界」という小冊子がセットで販売されており、後者は奥付を見ると、この展覧会に併せてブンカムラで編集・作成されたようで、貴重な資料です。 「マグリットとデルヴォー 版画の世界」小冊子の表紙
■今回展示された12点一組のリトグラフ「マグリットの捨て子たち」。リトグラフとは、版画技法の一種ではありますが、1982年に刊行されたGilbert E.Kaplan、Timothy Baum両氏編集のマグリットの版画カタログ・レゾネには収録されていません。他に出展されていた作品、7点一組のエッチング「対蹠地の黎明」、エッチング「生活の術」「9月18日」は収録されています。
□ちなみにリトグラフ「マグリットの捨て子たち」は北海道立近代美術館にもいくつか、エッチング「対蹠地の黎明」はうらわ美術館にも所蔵があるようです。

「コレクションでたどる姫路市立美術館の25年」2009年3月刊行
図録サイズ:29.8×21センチ 67ページ ソフトカバー
「マグリットとデルヴォー 版画の世界」2009年3月刊行
図録サイズ:21×14.8センチ 14ページ 小冊子 ○マグリット「マグリットの捨て子たち」 5-8ページ ○デルヴォー クロード・スパーク『鏡の国』のためたの連作「最後の美しい日々」 9-10ページ ○デルヴォー「ヴァナデ女神への廃墟の神殿の建設」 11-12ページ

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2000-2001 ベルギーの巨匠5人展 アンソールからマグリット・デルヴォーまで


「ベルギーの巨匠5人展」図録の表紙
2000年10月7日〜11月19日 姫路市立美術館
2000年11月25日〜12月24日 佐倉市立美術館(千葉県)
2001年1月3日〜30日 東京新宿・伊勢丹美術館
2001年2月14日〜25日 大阪・大丸ミュージアム・梅田
2001年3月17日〜4月22日 岡崎市美術博物館
ほか主催:朝日新聞社
表紙:MAGRITTEのロゴの部分は「世界大戦」1964年
図録サイズ:30×22.5センチ

「ベルギーの巨匠5人展」チラシ ■「ベルギーの巨匠5人」とは、ジェームズ・アンソール(1860-1949)、レオン・スピリアート(1881-1946)、コンスタント・ペルメーク(1886-1952)、ルネ・マグリット(1898-1967)、ポール・デルヴォー(1897-1994)のことです。
■ベルギー近代のアンソール、シュルレアリストと知られているマグリットとデルヴォーの3人より、(ベルギーの都市オステンドで活躍した)あとの2人の作品が数多く出品されていたことに、この展覧会の意義があると言えるでしょう。
□例えばレオン・スピリアールトは21点と一番多く、日本でまとめて公開されるのは初との事で、初期の象徴主義的な暗い神秘的な作品には大変魅了されました。この結実は、2003年のブリヂストン美術館の「レオン・スピリアールト展」開催となるわけです。

■マグリットの作品は10点。個々の解説は特にありません。但し、かなり詳しい年譜があります。
1.「海水浴の女」原題:Baigneuse 英題:Bather 1925年 油彩・カンヴァス(レゾネ64) 図録通番56。133ページに掲載。
2.「森」原題:La forêt 英題:The forest 1927年 油彩・カンヴァス(レゾネ147) 図録通番57。134ページに掲載。
3.「囚人」原題:Le prisonnier 英題:The prisoner 1928年 油彩・カンヴァス(レゾネ287) 図録通番58。135ページに掲載。
4.「出現」原題:L'apparition 英題:The apparition 1928年 油彩・カンヴァス(レゾネ264) 図録通番60。136ページに掲載。
5.「カーテンの宮殿」原題:Le palais de rideaux 英題:The palace of curtains 1935年 油彩・カンヴァス(レゾネ368) 図録通番59。137ページに掲載。
6.「シュザンヌ・スパーク」原題:Suzanne Spaak 1936年 油彩・カンヴァス (レゾネ414) 図録通番61。138ページに掲載。
7.「バズとピレット・スパーク」原題:Bazou et Pilette Spaak 1937年 油彩・カンヴァス(レゾネ439) 図録通番62。139ページに掲載。
8.「狂信者たち」原題:Les fanatiques 英題:The fanatics 1955年 油彩・カンヴァス(レゾネ823) 図録通番64。140ページに掲載。
9.「気高き船」原題:Le beau navire 英題:The proud ship 1942年 油彩・カンヴァス(レゾネ496) 図録通番63。141ページに掲載。
10.「世界大戦」原題:La grande guerre 英題:The great war 1964年 油彩・カンヴァス(レゾネ1001) 図録通番65。143ページに掲載。

■デルヴォーの作品は12点
1.「入浴の前」原題:avant le bain 英題:Before the bath 1933年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネ??) 図録通番66。153ページに掲載。
2.「バラ色の蝶結び」原題:les noeuds roses 英題:The pink bows 1937年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネ81) 図録通番67。154ページに掲載。
3.「遊び女たち」原題:les courtisanes 英題:The courtesans 1941年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネ112) 図録通番68。155ページに掲載。
4.「眠れるヴィーナス」原題:la venus endormie 英題:The sleeping venus 1943年 油彩・カンヴァス (油彩レゾネ131) 図録通番69。156-157ページに掲載。
5.「受胎告知」原題:l'annonciation 英題:The Annuncation 1949年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネ196) 図録通番70。158ページに掲載。
6.「セイレン」原題:la sirene 英題:A siren in full moonlight 1949年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネ198) 図録通番71。159ページに掲載。
7.「鉄の時代」原題:l'age du fer 英題:The iron age 1951年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネ204) 図録通番72。160ページに掲載。
8.「埋葬」原題:la mise au tombeau 英題:The interment 1953年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネ215) 図録通番73。161ページに掲載。
9.「夜警U」原題:le veilleur 英題:The watchman U 1961年 油彩・カンヴァス (油彩レゾネ265) 図録通番74。162-163ページに掲載。
10.「森の中の駅」原題:la gare forestiere 英題:The forester station 1960年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネ255) 図録通番75。164ページに掲載。
11.「煌々と」原題:toutes les lumieres 英題:All the lights 1962年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネ272) 図録通番76。165ページに掲載。
12.「ローマへの道」原題:la route de rome 英題:The way to Rome 1979年 油彩・カンヴァス 図録通番77。166-167ページに掲載。

□寄稿:
○「序−美術史的背景について」ウィリー・ヴァン・デン・ブッシュ(州立オステンド近代美術館、州立ヤベークコンスタント・ペルメーク美術館主席学芸員/館長)13-33ページ 英文:34-52ページ
○「仮面に託したアイロニー−ジェームズ・アンソール」高橋弘樹(佐倉市立美術館学芸員)54-57ページ
○「鏡の中のオステンド−レオン・スピリアールト」高瀬晴之(姫路市立美術館学芸員)80-82ページ
○「大地の表現主義−コンスタント・ヘルメーク」高瀬晴之(姫路市立美術館学芸員)106-108ページ
●「マグリットあるいはイメージのアンチテーゼ」村松和明(岡崎市美術博物館学芸員)130-132ページ
○「デルヴォー、夢の彼方に・・・」村松和明

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1988 ボイマンス美術館展 カンディンスキーからデルヴォーまで


「ボイマンス美術館展」図録の表紙
1998年7月30日〜8月31日 東京新宿・伊勢丹美術館
1998年10月7日〜29日 福岡三越・三越ギャラリー
1998年11月14日〜12月23日 倉敷市立美術館
1998年2月18日〜3月7日 大丸ミュージアム・梅田
1998年4月22日〜5月30日 佐倉市立美術館(千葉県)
ほか主催:読売新聞社
表紙:カーレル・ウィリンク作「ポンペイの遅き訪問者たち」
佐倉展のちらし:「赤いモデル」、東京展のちらし:「不許複製」
図録サイズ:29×22.5センチ

千葉県佐倉でのチラシ表 東京伊勢丹でのチラシ表 ■オランダのロッテルダム市にあるボイマンス・ファン・ブーニンヘン美術館が所蔵する作品を紹介する、日本での3回目の展覧会。今回は20世紀の作品中心で、「表現主義」「シュルレアリスム」「魔術的リアリズム」の3部構成。
■ところでチラシって、開催する美術館ごとに違うこともあるのですね。右は佐倉、左は東京伊勢丹のチラシ。
■マグリットの作品は7点
1.「自由への門口にて」原題:Au Seuil De La Liberté 1930年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.326)図録通番35。96ページに掲載。解説あり。
2.「赤いモデル」原題:Le Modéle Rouge 1937年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.428)図録通番36。97ページに掲載。解説あり。
3.「不許複製」原題:La Reproduction Interdite 1937年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.436)図録通番37。98ページに掲載。解説あり。
4.「ガラスの家」原題:La Maison De Verre 1939年 グワッシュ・紙(レゾネNo.1158)図録通番38。99ページに掲載。解説あり。
5.「瀉血」原題:La Saignée 1939年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.1149)図録通番39。100ページに掲載。解説あり。
6.「毒」原題:Le poison 1950年 グワッシュ・紙(レゾネNo.1142)図録通番40。101ページに掲載。解説なし。
7.「真理の井戸」原題:Les Puits De Vérité 1967年 ブロンズ(レゾネNo.1087)図録通番41。102ページに掲載。解説あり。
■デルヴォーの作品は油彩2点
1.「月の位相」英題:Phases of the Moon 1942年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.121)図録通番42。104ページに掲載。解説なし。
2.「赤い街」英題:The red city 1934年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.132)図録通番43。105ページに掲載。解説なし。

□寄稿:
○「ボイマンス・ファン・ブーニンヘン美術館のモダン・アート」ハネケ・デ・マン 14-19ページ 原文:20-24ページ
○「現代美術の夢と現実:表現主義からシュルレアリスムへ」千足伸行(成城大学教授) 25-40ページ
○「表現主義」マールチェ・デ・ハーン 43-45ページ 原文:135-136ページ
●「シュルレアリスム」ハネケ・デ・マン 72-75ページ 原文:137-139ページ
○「魔術的リアリズム」ジャクリーン・ラプマンド 107-108ページ 原文:140-141ページ

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2000 ベルギー絵画展図録 20世紀の巨匠 ■20世紀ベルギー絵画を俯瞰できてお勧め!


「ベルギー絵画展」図録の表紙
2000年4月15日〜5月28日 富山県立近代美術館
2000年6月3日〜7月16日 新潟市美術館
2000年7月22日〜8月27日 千葉市美術館
2000年9月2日〜9月24日 石川県立美術館
2000年10月19日〜11月23日 大分県立芸術会館
表紙:フェルナン・クノップフ作「褐色の瞳と青い花」
千葉展のちらし:「絶対の探求」1940年
図録サイズ:29×22.5センチ

「ベルギー絵画展」千葉展のチラシ表 ■19世紀末のクノップフ、アンソールをはじめとして、現代までのベルギーの20世紀絵画に焦点を当てた類を見ない展覧会でした。それまでは象徴派どまりでしたから…。ベルギー絵画史でのマグリットという画家の位置づけとその影響も伺い知ることができる逸品です。
■構成は、
第1章「先駆者たち」としてクノップフ、スピリアールトの象徴主義、アンソールを取り上げています。
第2章「表現主義:都市と田園の間で」としてペルメーク、ファン・デン・ベルヘ、スメットなど。
第3章「抽象主義:根付かなかった前衛」では、セルヴランクス、ジョゼフ・ラカスなど。
第4章「マグリットとデルヴォー:シュルレアリスムの道」
第5章「戦後の多様な道」では、具象から抽象への画家たちとして、ファン・リント、ベルトラン、ドラオーなど7人を取り上げています。
第6章「コブラ」ではアレンシスキー、ドートルモン、ミショー
第7章「マルセル・ブロタール:これは美術作品ではない」 マグリットの影響による詩の絵画化という特徴を打ち出したブロータル1人を取り上げています。
第8章「現代の展望」にはヤン・ファーブルほか。
□1901-1979のベルギー美術関連年と主要文献目録が巻末にあります。
■第4章の巻頭にはマグリットとデルヴォーの簡単な比較が述べられています。以下一部引用“マグリットとデルヴォーでは、根本的に異なる空想世界が作品の中に展開されている。マグリットが言語活動としての現実を解体したのに対して、デルヴォーはその同じ現実を内面化し、夢のような調和の時間に変容させた。” なるほど。
■マグリットは7点。どれも油彩画作品です。
1.「沐浴の女」原題:Baigneuse 1921年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.27)図録通番30。64ページに掲載。解説は巻末141ページにあり。
2.「生活の疲れ」原題:La fatigue de vivre 1927年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.140)図録通番31。65ページに掲載。解説は巻末141ページにあり。
3.「虚ろな目」原題:Les regards perdus 1927-28年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.199)図録通番32。66ページに掲載。解説は巻末141ページにあり。
4.「絶対の探求」原題:La recherche de l'absolu 1940年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.481)図録通番33。67ページに掲載。解説は巻末142ページにあり。
5.「精神の自由」原題:Le liberté de l'esprit 1948年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.667)図録通番34。68ページに掲載。解説は巻末142ページにあり。
6.「会話の術」原題:L'Art de la conversation 1950年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.745)図録通番35。69ページに掲載。解説は巻末142ページにあり。
7.「スフィンクスの合唱団」原題:Le Chœur des sphinges 1950年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.993)図録通番35。69ページに掲載。解説は巻末142ページにあり。
■デルヴォーは7点
1.「眠れるヴィーナスT」原題:La vénus endormie 1932年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.??)図録通番37。71ページに掲載。解説は巻末143ページにあり。
2.「スピッツナー博物館のための習作」原題:Étude pour le Musée Spitzner 1934年 水彩、墨・紙図録通番38。72ページに掲載。解説は巻末143ページにあり。
3.「夢」原題:Le rêve 1935年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.??)図録通番39。73ページに掲載。解説は巻末143ページにあり。
4.「街の夜明け」原題:L'Aube sur la ville 1940年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.105)図録通番40。74ページに掲載。解説は巻末143ページにあり。
5.「階段」原題:L'Escalier 1935年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.179)図録通番41。75ページに掲載。解説は巻末144ページにあり。
6.「受胎告知」原題:L'Annonciation 1955年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.219)図録通番42。76ページに掲載。解説は巻末144ページにあり。
7.「火の礼讃」原題:L'Éloge du feu 1963年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.277)図録通番43。77ページに掲載。解説は巻末144ページにあり。

□寄稿:
○「監修者の序」ミシェル・ドラゲ(ブリュッセル自由大学教授)9ページ
○「アンソールからブロタールまで−ベルギーの絵画と前衛芸術」ミシェル・ドラゲ 10-21ページ 原文:22-31ページ 
◎作家解説
◎ベルギー20世紀絵画に関する欧文文献目録
◎ベルギー20世紀絵画に関する日本語文献目録

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1988 ベルギー王国 リエージェ・美術館名画展


「ベルギー王国リエージェ・美術館名画展」図録の表紙
1988年4月7日(木)〜5月3日(火)東京・日本橋高島屋
1988年5月5日(木)〜5月17日(火)大阪・なんば高島屋
1988年5月20日(金)〜6月8日(水)福井県立美術館
1988年6月18日(土)〜7月31日(日)北九州市立美術館
1988年8月6日(土)〜8月30日(火)高松市美術館
1988年9月9日(金)〜9月21日(水)名古屋三越本店
1988年10月6日(木)〜11月3日(木)姫路市立美術館
主催:毎日新聞社
表紙:シュロバッハ姉妹/作「リッセルベルヒェ・テオドール・ヴァン」1984年
図録サイズ:27.5×23cm
■リエージェの近代美術館とワロン美術館の所蔵作品による展覧会です。19世紀から20世紀にかけて、象徴派からフォービズム、表現主義、シュールレアリスム等主要な美術の流れを達観できます。以下の四章に分けて掲載。
T.外へ向かう眼 1−写実
T.外へ向かう眼 2−象徴 マグリットはここに掲載。
U.内へ向かう眼 1−内面表出
U.内へ向かう眼 2−デフォルメ(変形)
■マグリットは4点
1.「森」原題:La Forêt 1928年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.147)ワロン美術館蔵。図録通番50。75ページに掲載。解説あり。
2.「描かれた青春」原題:La Jeunesse Illustrée 1937年 グワッシュ・紙(レゾネNo.1125)ワロン美術館蔵。図録通番51。76ページに掲載。解説あり。
3.「禁じられた世界」原題:L'Univers Interdit 1943年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.547)リエージェ近代美術館蔵。図録通番52。77ページに掲載。解説あり。
4.「絶対を求めて」原題:A La Recherche De L'Absolu 1960年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.481)ワロン美術館蔵。図録通番53。78ページに掲載。解説あり。レゾネだと、この作品も含めて「絶対の探求」モチーフは、1940年に3作品作られているのだけれど…。
■デルヴォー3点。3点ともワロン美術館所蔵。
1.「スピッツナー美術館」原題:Le musee apitzner 1934年 油彩・カンヴァス 図録通番42。67ページに掲載。解説あり。
2.「路上の男」原題:L'homme de la rue 1940年 油彩・カンヴァス 図録通番43。68ページに掲載。解説あり。
3.「二人の裸婦」原題:Deux nus 1930年頃 デッサン・板 図録通番44。69ページに掲載。解説あり。

□寄稿:
○リエージュにおける美術館の歴史
○リエージュの美術館所蔵作品とヨーロッパ美術の流れ
◎作家解説 ◎年譜(1800-1952) ◎参考文献

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2006-2007 ベルギー王立美術館展

「ベルギー王立美術館展」図録の表紙
2006年9月12日〜12月10日 東京・国立西洋美術館
2007年1月6日〜3月25日 長崎県美術館
2007年4月7日〜6月24日 大阪・国立国際美術館
主催:読売新聞社ほか
表紙:ピーテル・ブリューゲル/作「イカロスの墜落」制作年不詳
図録サイズ:28.5×22.5cm
ベルギー王立美術館展の東京会場チラシ ■チラシの謳い文句が、「ブリューゲル、ルーベンス、マグリット、デルヴォー…巨匠たちの400年」とあるように、16世紀後半のフランドル絵画から20世紀前半のシュルレアリスム絵画まで、400年に渡るベルギー美術史を堪能できる展覧会でした。
■作品は油彩70点と素描39点のあわせて109点。クノップフ、アンソール、ジャン・デルヴィル、ド・ヌンクらの象徴派も見ごたえがあります。
■読売新聞社展覧会イベントのページ(作品リストあり。「光の帝国」画像あり。)http://event.yomiuri.co.jp/royal/index.htm
■マグリットは3点
1.「女盗賊」原題:La voleuse 1927年頃 油彩・カンヴァス(レゾネNo.133)図録通番107。158-159ページに掲載。解説あり。
2.「光の帝国」原題:L'empire des lumières 1954年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.810)図録通番108。160-161ページに掲載。解説あり。この「光の帝国」はたぶん日本初公開。
3.「血の声」原題:La voix du sang 1961年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.928)図録通番109。162-163ページに掲載。解説あり。「血の声」と「女盗賊」は、2002年日本のマグリット展でも展示された作品です
■デルヴォーは4点
1.「ノクターン」原題:Nocturnes 1939年 油彩・板(油彩レゾネNo.95)図録通番103。154-155ページに掲載。解説あり。
2.「夜汽車」原題:Train du soir (Avondtrein) 1957年 油彩・板(油彩レゾネNo.231)図録通番104。156ページに掲載。解説あり。
3.「《散歩をする女たち》の習作」原題:Etude pour 'Les promeneuses' 1947年頃 墨による油彩・紙 図録通番105。
4.「テラスのオダリスク」原題:Odalisque sur une terrasse 1947年頃 墨による淡彩・厚紙に貼った紙 図録通番106。157ページに掲載。解説あり。

□寄稿:
○「イカロスの墜落」をめぐるノート 幸福輝 8-11ページ
○ヤーコプ・ヨルダーンスの「飲む王様」 ヴェロニック・ビュツケン 12-13ページ
○ルイ・ガレの「芸術と自由」ピエール=イヴ・ドセーヴ 14ページ
○アンソールの「怒れる仮面」をめぐって 福満葉子 15-18ページ
●ルネ・マグリットの「女盗賊」 フレデリック・レーン 19ページ

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2002 ベルギー・フランス絵画の交流


「ベルギー・フランス絵画の交流展」図録の表紙
副題:コロー、クールベ、アンソールからピカソ、マグリットまで
2002年4月27日〜11月4日 軽井沢メルシャン美術館
表紙:テオ・ファン・レイセルベルヘ/作「庭のお茶会」1890年頃
図録サイズ:29.7×22.9cm
マグリット作品掲載の見開きページ画像 ■2002年と言えば日本でのマグリット展開催の年。このためマグリットの作品も図録に掲載されているイクセル美術館の作品が、実はマグリット展本展にすでに貸出されていて、別作品(「田舎」油彩画、「無題」のコラージュ)が急遽展示されていたと又聞き。軽井沢まで行くことができず悔やまれる展覧会のひとつです。
■マグリットはイクセル美術館所蔵作品が2点
1.「弁証法礼讃」原題:L'éloge de la dialectique 1936年 水彩・紙(レゾネNo.1120)図録110ページに収録。
2.「幸福な寄進者」原題:L'heureux donateur 1966年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.1050)図録111ページに収録。
■デルヴォー5点
1.「孤独」原題:Solitude 1940年 油彩・カンヴァス イクセル美術館寄託。図録113ページに収録。
2.「長い髪の女たち」原題:Les longues chevelures 1941年 水彩・紙 個人藏。図録114ページに収録。
3.「裸婦あるいは古代風景」原題:Femmes nues ou paysage antique 1944年 油彩・水彩・墨、厚紙 イクセル美術館所蔵。図録115ページに収録。
4.「鉄の時代」原題:L'âge du fer 1951年 油彩・板 オステンド美術館所蔵。図録116ページに収録。
5.「対話」原題:Le dialogue 1974年 油彩・板 イクセル美術館所蔵。図録117ページに収録。
マグリットとデルヴォーは、8章のシュルレアリスム的傾向に掲載。
□この展覧会は全部で9章の構成。T.自然主義的風景画 U.印象派的傾向 V.新印象主義的傾向 W.象徴主義的傾向 X.古典主義的絵画 Y.フォーヴィスム的傾向 Z.表現主義的傾向 [.シュルレアリスム的傾向 \.キュビスム的傾向と抽象

□寄稿:
○「本展によせて」ジャン・コックレ 本文あり
◎作家略歴 ◎作家生没年表 ◎主要参考文献 ◎美術館紹介

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1988 ベルギー近代美術の流れ


「ベルギー近代美術の流れ」展図録の表紙
1988年11月3日〜11月13日 有楽町アート・フォーラム
表紙:ポール・デルヴォー/作「嵐」1962年
図録サイズ:23.8×25cm
■有楽町西武において開催されたベルギー・トディの一環として企画された10日間だけの展覧会。出展された作品は、ベルギーの画商エミール・ベラヌマンの私的コレクションから約40点程。
■マグリットの油彩画2点
1.「The given word」(与えられた言葉=誓約) 原題:La parole donnée 1963年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.971)図録通番13。
2.「The flying statue」(飛ぶ彫像) 原題:La statue volante 1964年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.1005)図録通番14。
■デルヴォーの油彩画2点
1.「Bathing nymphs」原題:Les nymphs des eaux 1938年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.92)図録通番11。
2.「The storm」原題:L'orage 1962年 油彩・カンヴァス(油彩レゾネNo.270)図録通番12。

□寄稿:
○序文 ヘルマン・リバース(ユーロパリア名誉会長)
◎作家略歴

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2005 ゲント美術館名品展 西洋近代美術のなかのベルギー

「ゲント美術館名品展」図録の表紙
2005年4月15日〜5月29日 高松市美術館
2005年6月11日〜9月4日 世田谷美術館
2005年9月10日〜10月23日 いわき市立美術館
2005年10月29日〜12月25日 埼玉県立近代美術館
表紙:レオン・デ・スメット/作「室内」1911年
図録サイズ:25.7×19.7cm ハードタイプ
マグリット作品掲載の見開きページ画像 ■ベルギー三大都市(あとの二つは首都ブリュッセルと王都アントワープ)のひとつゲント市が擁するゲント美術館は、ベルギーの中でも古くて歴史があり有名です。
■1998年にも同名の展覧会(「ベルギー・ゲント美術館展」17世紀から20世紀のフランドル絵画)が開催されていますが、今回はベルギー象徴派以降の20世紀作品も多数展示されています。
■マグリットの油彩画 1点
「マネのバルコニー」原題:Perspective U:Le balcon de Manet 1950年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.721)図録166ページに収録。
■デルヴォーの油彩画 1点
「階段」英題:The staircase 1946年 油彩・板(油彩レゾネNo.179)図録165ページに収録。

□寄稿:
○「ゲント美術館と近代美術」ロベール・ホーゼー(ゲント美術館館長)8-11ページ
○「近代ベルギー美術とヴラーンデレン(フランドル)文化」高木陽子(文化女子大学助教)12-23ページ
○「フェルナン・スクリブとゲント美術館」ヨハン・デ・スメット(ゲント美術館学芸員)69ページ
○「ジェームズ・アンソール−死の表象、あるいは表象の死」牧野裕二(高松市美術館学芸員)78-79ページ
○「静寂の彼方から−フェルナン・クノップフ」毛利直子(高松市美術館学芸員)104-105ページ
○「ジョルジュ・ミンヌの彫刻について」酒井忠康(世田谷美術館館長)118-119ページ
○「ヨーロッパの構成主義とベルギー、逸話的に」前山裕司(埼玉県立近代美術館学芸員)158-159ページ
◎作家解説 ◎関連年表(1748-1945) ◎ゲント市の歴史と魅力 ◎主要参考文献

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2005 ベルギー近代の美 ■サイモン・コレクション

「ベルギー近代の美」展図録の表紙画像
Masterpieces of Modern Belgian Art:The Simon Collection
2005年10月15日〜11月27日 府中市美術館
2006年4月29日〜6月4日 千葉県・佐倉市立美術館
2006年9月8日〜11月5日 秋田市立千秋美術館
表紙:フロリス・イェスペルス/作「都合のよい結婚」1927年
図録サイズ:25×19cm
マグリット作品掲載の見開きページ画像
■ドイツ人コレクター、ハインリヒ・サイモン氏が1974年から30年にかけて収集したコレクションの初公開です。コレクションとしては新しいのですが、1880年代後半から1970年代までのベルギー近代美術史を俯瞰できる屈指のコレクションです。同じ2005年に開催された「ゲント美術館名品展」と併せて鑑賞することにより、ベルギー美術を一層深く理解できるという相乗効果が得られたと言っても過言ではありません。
■マグリットの油彩画 1点
「風に解きほぐされた会話」原題:Dialogue dénoué par le vent 1928年 油彩・カンヴァス(レゾネNo.206)図録114-115ページに収録。
人体トルソが3体、互いに向き合ってはいなくても会話しているように見受けられる初期の作品です。死体を石膏で塗り込めた江戸川乱歩の小説などを想い起してしまいます。
■デルヴォーの油彩画 2点
1.「会話」原題:Conversation(Femme et squelette)1944年 油彩・厚紙(油彩レゾネNo.140)図録116-117ページに収録
2.「謎」英題:Riddle 1946年 油彩・パネル 図録118-119ページに収録

□寄稿:
○「ベルギー近代美術とサイモン・コレクション」ピート・ボイエンス(美術史家、ラーテム派研究家)
○「前衛的ベルギー」本江邦夫(府中市美術館館長)
○「明治・大正におけるベルギー近代美術受容の一側面−コンスタンタン・ムーニエの場合」本橋浩介(佐倉市立美術館学芸員)
○「自由美学とベルギーの近代美術」冨田章(サントリーミュージアム天保山主席学芸員)
◎作家解説 ◎主要参考文献(本橋浩介/編) ◎ベルギー関連地図 ◎出品作家生没年対照一覧

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1991 視覚の裏側展 ■マグリット、ブロータス、パナマレンコ、ヤン・ファーブル

「視覚の裏側展」図録の表紙画像
1991年5月29日〜9月15日 ワタリウム美術館
図録サイズ:25.5×18cm

Irony by vision :ヴィジョン(視覚)によるアイロニー(皮肉)。マグリット、マルセル・ブロータス、パナマレンコ、ヤン・ファーブルへと4人のベルギー現代アーティスト作品で構成された、同じベルギー人のキュレーターであるヤン・フートによる展覧会。

■マグリット 8点
1.「森」原題:La forêt 1926年 油彩・カンヴァス(レゾネ147) 19ページに掲載。
2.「科学の木」原題:L'Arbre de la Science 1929年 油彩・カンヴァス(レゾネ317) 21ページに掲載。
3.「マネのバルコニー」原題:Le Balcon de Manet 1950年 油彩・カンヴァス(レゾネ721) 25ページに掲載。
4.「赤いモデル」原題:Le mondèle rouge 1953年 油彩・カンヴァス(レゾネ795) 29ページに掲載。
5.「静寂命令」原題:Le rappet à l'ordre s.d. グワッシュ・紙(レゾネ1380) 33ページに掲載。
6.「無題」原題:Sans titre s.d. グワッシュ・紙 (レゾネ1482) 37ページに掲載。
7.「アレキサンダーの業績に基づく習作」原題:Etude d'après les travaux d'Alexandre s.d. インディアン・インク、紙 41ページに掲載。
8.「上着の問題」原題:Le probléme du veston s.d. 鉛筆、色鉛筆・紙 45ページに掲載。

□寄稿:
○「序文 アイロニー・バイ・ヴィジョン」ヤン・フート pp.8-11
○「序文 現代美術に酔う」和多利志津子 pp.12-13
●「ルネ・マグリット:逆説的な作品における詐術的類似性」エリック・ビル pp.17-48
○「マルセル・ブロータスとアイロニー」マリィ・パスカル・ギルドミン pp.49-76
○「パナマレンコ:非常に近い距離での宇宙探検」レット・ゲーリング pp.77-102
○「ヤン・ファーブル:歴史の印としての作品」ヨウ・クック pp.103-128

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