マグリットの洋書画集
■マグリット画集の洋書版は数多く出版されています。英語の読解力が良いわけではありませんので、なるべく図版がたくさんあり、見たことがない作品が収録されている画集を探してきました。但し、あまり年代を遡って古い洋書に手を出すと、内容的には資料的価値は高いのかもしれませんが、色刷り図版が少しで、大半がモノクロ図版となってしまいます。ここでは、まず自分が所蔵しているものをいくつかご紹介いたします。
■最近では、海外におけるマグリットの展覧会図録は必ず購入するようにしています。日本において図録は、開催している美術館でしか購入できない場合がほとんどですが、外国の場合は、書籍としてISBNコードが付加されて流通にのることがあります。もちろん、amazonでも購入できます。最近では、2003年のJeu De Paumeで開催された図録はフランス語ですが、かなり装丁も良く掲載図版も多く貴重な資料のひとつとなりました。
■表紙は違えど中身は同じ…
■全部の作品が眺めたいならば…カタログ・レゾネ
1992→2009→ Magritte: for David Sylvester ■レゾネ番外!
David Sylvester(デビット・シルヴェスター)
Mercatorfonds 2009 表紙:Reconnaissance without end(無限の感謝)1963年 サイズ:33×25.4センチ 厚さ:3.9センチ 448ページ |
■レゾネ編纂に携わったデビット・シルヴェスターが1992年に出版した大型画集かつマグリット解説本です。装い新たに2009年に再刊。大きさもレゾネ全5巻と同じサイズ。
■全部で44章に分けて解説。収録図版点数は多く、通常の画集には掲載されていない作品も色刷で見ることができます。
2009→ Magritte: Attempting the Impossible ■豪華大型画集!
Siegfried Gohr.(ジークフリート・ゴール)
Distributed Art Pub Inc (Dap) 2009.6 表紙:Golconde(ゴルコンダ)1953年 裏表紙:Les Vacances De Hegel(ヘーゲルの休日)1958年 サイズ:33.6×27.4センチ 厚さ:3.8センチ 336ページ |
■収録図版429点もあり、どれも大きくて見やすいです。またレゾネb烽ォちんと付記されています。時代や有名なモチーフごとに解説されており、内容もわかりやすい。見たことのない図版も多少ありましたので、お勧めです。
■題名は、マグリットの作品「無謀な企て」(豊田市美術館が所蔵)の英訳タイトル名から。
2006→ Magritte And Contemporary Art: The Treachery of Images ■影響如何!
Stephanie Barron, Michel Draguet, Sara Cochran/Text.
Ludion; illustrated edition版 2006.11 表紙:La Duree Poignardee(閉ざされた時間)1939年 サイズ:30.7×24.1センチ 厚さ:2.5センチ 256ページ |
■Los Angeles County Museum of Art (ロサンゼルス郡立美術館)で2006年11月19日から2007年3月4日まで開催されていた現代美術展の図録です。マグリットの作品40数点と彼の影響を受けたアーティストの作品が掲載されています。
■展覧会の詳細は、http://www.lacma.org/art/ExhibMagritte.aspx を参照。
2005→ Magritte and Photography ■マグリットと写真!
Patrick Roegiers.
Distributed Art Pub Inc 2005 表紙:Flirtiousness,self-portrait of Rene Magritte,Paris botanical gardens 1928年 サイズ:28×23センチ 厚さ:1.8センチ 167ページ |
■この書籍は2005年にブリュッセルで開催され、その後世界各地を巡回しているマグリット写真展に併せて刊行されました。
■マグリットに関する写真が時系列で約200点掲載されており、掲載点数では一番多い資料と思われます。
■この書籍に収録された写真データを基本にして、他の画集、図録に掲載された写真の情報を付加した「写真データベース」を作成中しようかと思案中です。
2002→ The Portable Magritte ■図版満載で、まさにポータブル!
Robert Hughes/Introduction.
St.Martins Pr.2002 表紙:Sixteenth of September(9月16日)1956年 サイズ:19.5×13センチ 厚さ:3.5センチ 438ページ ソフトカバー |
■年代順で作品解説はありません。とにかくマグリットの作品を手軽な値段で、色刷りでたくさん見ることができます。
■ポストカードブックかと思うぐらいの厚さの書籍です。装丁は軽装なので頻繁に見ていると、ページがとれてしまうかも・・・。
2003→ Magritte: Jeu De Paume
Daniel Abadie/Ed.
Exhibitions International 2003 表紙:The Son of Man(人の子)1964年 サイズ:23×27.8センチ 厚さ:2.9センチ 303ページ ハードカバー |
■日本からは、宇都宮美術館所蔵「大家族」、広島県立美術館所蔵「人間嫌いたち」を借り受けて展示されていたようです。
■安くて小さいソフトカバー版もあるようですが、未見のため内容まで一緒なのかは不明です。
2001→ Magritte: Louisiana Museum of Modern Art
Steingrim Laursen/Text.
Louisiana Museum of Modern Art 2001 表紙:L'empire des Lumieres(光の帝国)1961年 サイズ:21×25.5センチ 厚さ:0.6センチ 80ページ ソフトカバー |
■またその後1999年12月22日〜2000年3月26日、スコットランド国立現代美術館に巡回。
2001→ Magritte: Casino Knokke
Exhibitions International 2001
表紙:La Grande Guerre(世界大戦)1961年 サイズ:29.8×24.6センチ 厚さ:1.4センチ 142ページ ソフトカバー |
■図版68点。壁面フレスコ画「魅せられた領域」を含みます。
1998→ Magritte: Catalogue du Centenaire ■生誕100周年大回顧展の図録!
LUDION Flammarion 1998
表紙:Le Chateau des Pyrenees(ピレネーの城)1959年 サイズ:24.5×31.5センチ 厚さ:3.2センチ 335ページ |
1992-1993→ Magritte: South Bank Centre
Sarah Whitfield
South Bank Centre 1992 表紙:La Duree Poignardee(閉ざされた時間)1939年 サイズ:23×27.8センチ 厚さ:2.5センチ 320ページ ソフトカバー |
1992年から1993年にかけて、ロンドン、ニューヨーク、ヒューストン、シカゴと巡回されたかなり大きな回顧展の図録です。表紙画像は所有しているソフトカバー版です。ハードカバーで表紙が異なる版もあるようですが、未見。
1989→ Magritte: Galerie Isy Brachot - Paris.
表紙:Le Sorcier(魔術師:四本腕のある自画像)1951年
サイズ:30.5×22センチ 厚さ:0.9センチ 70ページ ソフトカバー |
1989年9月〜11月に開催されたパリのイシー・ブラショ・ギャラリーの展覧会図録です。絵画20点と彫刻5点を収録。
1988→ Magritte: Galerie Isy Brachot - Bruxelles.
表紙:La Clairvoyance(透視)1936年
裏表紙:Le Mal du Pays(ホームシック)1940年 サイズ:30.5×22センチ 厚さ:2.3センチ 234ページ ソフトカバー |
1988年1月〜3月に開催されたブリュッセルのイシー・ブラショ・ギャラリーの展覧会図録です。絵画75点とオブジェ・彫刻7点を収録。
1978→ Magritte:
表紙:L'empire des Lumieres(光の帝国)1949年
サイズ:22.5×24センチ 厚さ:2.0センチ 298ページ ソフトカバー |
1978年10月〜12月にブリュッセル、翌年79年1月〜4月パリのポンピドーで開催された大規模回顧展の図録。作品数206点を掲載。カラー20数点を含むが、ほとんどはモノクロ画像。