マグリットのカタログ・レゾネ
■もしあなたが、マグリットの作品とその生涯にはまってしまったら、カタログ・レゾネに手を出さざるを得ないでしょう。
「カタログレゾネ(Catalogue Raisonne)」とは・・・
文字通り“作品総図録”、すなわち作家の全作品資料の載っている画集のことです。狭義的には、画家の全生涯にわたる総作品が網羅されている図録。広義的には、豊富に作品が掲載されている画集も含むことがあります。所蔵者変遷やどこの展覧会で展示されたかなど作品の来歴も詳細に明記されていることがあります。マグリットのレゾネと言えば、Sylvester編の全5巻セットのことを指します。
その内容は・・・
1巻から3巻が全油彩画が年代順に、3巻には、オブジェとブロンズがあり。4巻が油彩画以外のグアッシュ、水彩、コラージュ等、5巻は補遺として索引、年譜が収められてます。
値段は・・・
ギャルリーイシロでは、カタログレゾネの通販をしています。マグリット全5巻は揃価格で10万円! Amazonでも単品で一見購入可能のように見えますが、実際には品切れのようです。最近では「日本の古本屋」という古本屋横断検索で探すと、たまに見つかることがあります。
どこかで閲覧できるか・・・
高額な値段ですから、貸出が主体の市町村の公共図書館では所蔵していないでしょう。美術館附属の美術図書室、それも現代美術をコレクションしている美術館の図書室ならば当然備えていると考えて良いでしょう。例えば東京ならば東京都現代美術館で所蔵しています。
ところで実際に見てみるとがっかりするかもしれません。画像はすべてモノクロ画像で掲載されています。何故なら、レゾネは、美術作品の真贋、品格を見極める際の重要な資料であり、その作品情報の網羅に重きを置いています。作品の製作年、大きさ、技法、所有者、来歴などの基本事項が主で、図版はモノクロで小さいのが通例です。世界の重要なオークションでは、作品紹介に必ずこのカタログ・レゾネ番号が明記されます。最近では2002年の日本におけるマグリット展図録でも、レゾネbェ明記されるようになりました。
Rene Magritte: Catalogue Raisonne ■全作品総目録!
上のリンクバナーが、
■1巻 Rene Magritte: Catalogue Raisonne: Oil Paintings, 1916-1930 [Illustrated]
右から順に
■2巻 Rene Magritte Catalogue Raisonne: Oil Paintings and Objects 1931-1948 [Illustrated]
■3巻 Rene Magritte: Catalogue Raisonne : Oil Paintings, Objects, and Bronzes 1949-1967 [Illustrated]
■4巻 Rene Magritte: Catalogue Raisonne : Gouaches, Temperas, Watercolours and Papiers Colles 1918-1967 [Illustrated]
■5巻 Rene Magritte: Catalogue Raisonne - Supplement, Bibliography, Indexes
The graphic work of René Magritte ■版画レゾネ!
前述のカタログ・レゾネに掲載されていない作品と言えば、デッサンやエッチング・リトグラフなどがあります。
これは、マグリットの晩年や亡くなってから刷られた版画を網羅する目的で、1982年に刊行されたGilbert E Kaplan; Timothy Baumによるマグリット版画レゾネとして知られています。
限定2000部(264番を所有)。マグリットの版画20点について、その版数や部数など詳細事項を掲載した、50ページ程度の薄い本です。モノクロエッチング以外はカラー掲載。